混乱する2つの違い
ブラスト製法で製造されるサンドブラストとショットブラスト。どっちがどちらかと、混乱することもあるでしょう。でもサンドブラストにはサンドブラストで、ショットブラストにはショットブラストで、出来ることに違いがあります。
両者の違いや特徴について、簡単にですがまとめてみました。
工法が違う
サンドブラストとショットブラストの違いは、工法と研磨材にあります。両者とも「ブラスト工法」で製造されているのは、共通しています。素材の表面についた汚れを落とした後に、ザラザラとした粗い加工を施すのが「ブラスト工法」です。逆にツルツルした加工になると、製品加工として使えなくなります。
サンドブラストとショットブラストとでは、ザラザラにするやり方が違います。サンドブラストは研磨材を噴射する装置を使って加工。「エアー式ブラスト」と呼ばれるやり方で、製品に向かって研磨材を吹き付けるのです。ショットブラストは、専用のマシンを使って表面をザラザラにします。もう少し掘り下げると、スチール製の球体を製品に向かって投げて表面をザラザラにするというものです。
研磨材が違う
使用されている研磨材も、サンドブラストとショットブラストで変わります。サンドブラストで使われている研磨材は、フリーダム。もともと噴射で研磨材を使うので、素材は選ばないのです。スチール・アルミ・くるみも対応可能。かつては「硅砂」が研磨材で使われていた時期もありましたが、現在では危ないものになるので、ほとんど使われていません。
ショットブラストに使われる研磨材は、スチールぐらいでしょう。スチールの小さいボールを使った「スチールショット」や、先が尖った「スチールグリット」が使われます。
メリットについて
最後にメリットについてです。サンドブラストの場合は、ありとあらゆる形状に対応できる点でしょう。精密機械の基盤のように細かい部分にも、サンドブラストは対応できます。
ショットブラストの場合は、安定したクオリティになります。基本的に全自動で製造しますので、ムラにはならないのです。